誰を見てアピールするか|定性調査のことならRINGOにお任せください|定性調査・マーケティングリサーチ・インタビュー

以前、十年以上に渡ってP社の広告評価に関わるインタビューを実施していたが、
今思うと、この企業のコミュニケーション力は圧倒的だったと改めて思う。
それは一言で言うと「生活者からブレない」ということだと思う。

大手企業であれば、自社のカテゴリーにおいて、定量、定性リサーチを実施し、
そのカテゴリーにおける商品のポジショニングと生活者動向を把握しているのは
当然だと思う。ある意味、競合他社と同じような調査結果が手元にあるかもしれない。

しかし、その調査結果のどこに主眼を置いて戦略を立てるかという点で、企業の
センス、性格、体質等々が赤裸々に表れる。
とくに、企業のコミュニケーション(広告)をみると、「あー、ここは悩んでいるな…」と
思わせるものがこちらに伝わってくる場合がある。
そして、これも一言で言わせてもらうと「競合を見て生活者を見ていない」ということが
往々にしてあるということだ。

競合といかに違う広告を作るか、競合はこうだからウチはこうする…等々、常に
「他者目線」でコミュニケーションすると、本来振り向いてほしい「生活者」には全く
届かなくなる。

非常によい製品をもっていたとしても、、ひたすら「うちの製品はここが競合と違います」
訴求することに主眼が置かれてしまい、「その製品を使うと生活者(あなた)にどういう
ベネフィットやインサイトがあるか」を伝えないので、生活者は「私に向けた」コミュニケーション
だと気づけない。

その点P社は、徹底して「生活者からみたレレバンシー(relevancy)」を非常に重視していた。
ここで強調しておきたいのは、企業からみたレレバンシーではなく、あくまでも「生活者から
みた」という点で、いわば「生活者の共感性」と意訳した方がフィット感があるかもしれない。

マーケティングの成功事例をたくさん持つP社のブランドに関われたのは、本当に勉強だった。