定性データの読み取り方|定性調査のことならRINGOにお任せください|定性調査・マーケティングリサーチ・インタビュー

マーケティングリサーチで何がわかるの?という疑問は、どんな時代にも呈示されますが、この疑問の背景には
「マーケティングリサーチ」をどういうイメージ(または先入観)で捉えているかということが影響していると
思われます。リサーチ経験にトラウマがあったり、間違ったデータの読み取り方をすると、「使えない」という
ものとして位置づけられてしまうでしょう。

一方、よくスティーブ・ジョブズが、「新しい商品やサービスを考えるときにマーケティングリサーチに頼らない、
頼ってはいけない。なぜなら、消費者は自分たちが欲しいものをわかっていないし、彼らが欲しいと言ったものを
提供してもうまくいかないから」と言ったとされています。

でも、この発言の趣旨は「マーケティングリサーチは不要である」という点にあるのでしょうか?
世界的なリ-ダーであり、経営者であり、開発者である彼が、大勢の人を前に、単に「リサーチ」という一分野に
ついて云々したと思われますか?

私は違うと思います。 彼が言いたかったのは「自分の頭で考え、自分の責任で行動せよ!」ということだったのでは
ないでしょうか。 リサーチデータは「ネタ」に過ぎないのに、「自己保身」に使われてしまい、うまくいかないことの
責任転嫁に してしまうのはいけないよ! 失敗を恐れず、自分で考えろ!ということなのではないでしょうか。

私たちの専門分野である定性データは「言葉」で成り立っています。この「言葉」の読み取りというのは 「表面的な
字面(じづら)」だけでみてしまうと、この例のように全く別の解釈になってしまいます。(時には 危険な解釈に
さえもなる)
発言の背景、事情、脈絡を含めてトータルに読み取らないと、言葉の分析というのは本質に迫れないのです。

上記のようなスティーブ・ジョブズの言葉の趣旨さえ読み取れないんじゃ、少なくともモノゴトの本質を掘り下げる
ことを生業にする定性リサーチャーには向いてないかもしれません。