ちゃんと聞いてたの?|定性調査のことならRINGOにお任せください|定性調査・マーケティングリサーチ・インタビュー

かなり以前のこと。テレビの旅番組の評価に関するグループインタビューを実施したことがあります。

その番組はイマイチな視聴率で、実際グルインでは、かなり辛辣な意見がみられたのですが、
対象者の方々は非常に熱心で、「自分はこういう部分をこういう風に受け取るから、この点は
嫌いだ/好きだ」とかなり具体的に指摘してくれ、「他の旅番組とはこういう点がこういう風に違う」
と、まさに本音の「お宝情報」を呈示してくれました。

制作の担当者は、実際に現場でモニターしていたのですが、終了後のデブリーフィングでは
「対象者の人たちが結局何を求めているのかわからなかった」と宣(のたま)われました。

はあ↗? あなたちゃんと聞いてたの?! ← (その時の私の心の声)

その担当者の方は、グルインという手法は初めてで、さらに言えば「実際の視聴者の声」を
生で聞いたことはなかったようです。
リサーチでどんなにお宝が転がっていても、それを「宝とみる心の目」がなければ、○○に真珠
になってしまいます。

定性リサーチに「回答」を求めて、対象者に依存する見方をしてしまうと、何も得られなかった…
とがっかりしてしまうことになります。
しかし、マーケティング課題の答えなんて、尻尾を振った犬が「ほれっ!」っと好物の餌を与えて
もらうようには、そうそう簡単に受け取ることはできません。ましてや対象者は「素人」なのです。

その素人は「言いたいことを好きなように」言えばいいのです。
しかし、その無防備な言葉の一つ一つから珠玉の情報を拾い上げ、埃を払って磨き、組み立て、
「宝の塔」に仕立て上げることを「マーケティング」というのだと思います。